1 悪意の遺棄とは?
「悪意の遺棄」とは、正当な理由なく、夫婦の同居義務、協力義務、扶助義務に違反する行為です。
ここでの「悪意」とは、夫婦関係の廃絶を企図し、又はこれを認容する意思と解されています。単に同居を拒んでいるだけでは足りません。悪意の遺棄の典型例としては、夫が他女のもとに走り、妻子の生活費を送金しないというケースが挙げられます。
もっとも、「妻が婚姻関係の破綻について主たる責任を負い、夫からの扶助を受けないようになつたのもみずからの原因によるなど原判決認定の事情のもとにおいては、夫が妻と同居を拒み、これを扶助しないといても、民法第七七〇条第一項第二号にいう悪意の遺棄に当らないというべきである。」という判例もあります(最判昭和39年9月17日)し、通常は、悪意の遺棄とまでは言えなくても、「婚姻を継続し難い重大な事由」を主張すれば足りるとされてます。
2 立証方法
悪意の遺棄を立証する証拠方法としては、以下のようなものがあります。
証拠方法 |
入手方法 |
備 考 |
捜索願受理証明書 |
所轄の警察署から |
所轄の警察署に家出人捜索願を出し、それが受理された場合、事実証明書願を出すと入手可。 |
住民票 |
市町村役場から |
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3 具体例
半身不随の身体障害者の妻を自宅に置き去りにし、長期間別居を続け、その間、妻に生活費を全く送金しなかった夫(浦和地判昭和60年11月29日) |
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