民事法律扶助制度

当事務所では、日本司法支援センター(法テラス)の民事法律扶助をご利用になられます。民事法律扶助とは、経済的にお困りの方が法的トラブルにあったときに、無料で法律相談を行い、(「法律相談援助」)、弁護士・司法書士の費用の立替えを行う(「代理援助」「書類作成援助」)制度です。ただし、資力基準等の要件がありますので、詳しくは弁護士にご相談ください。

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住 所

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太平4-9-3

 

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墨田区

錦糸町

電 話

03

5819-0055

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浮気相手に対する慰謝料請求

 

事件名

慰謝料等請求事件

東京地方裁判所平成23年(ワ)第39342号

平成25年4月19日民事第44部判決

事案の概要

(1)原告とcは,平成18年12月22日,婚姻した。

(2)被告は,平成17年7月頃,卓球のクラブチームの試合を通じてcと知り合い,平成20年5月頃から同年12月頃まで,cが原告と婚姻関係にあることを知りながら不貞行為を行った。

(3)原告は,同年11月頃,被告とcが不貞関係にあることを知り,被告と協議の末,平成22年2月26日,被告が原告に対し慰謝料80万円を分割して支払う旨の慰謝料請求に関する契約公正証書を作成し,被告は,平成24年1月,約定に従って上記支払を完了した。

(4)cは,さいたま赤十字病院において看護師として稼動しており,平成23年6月23日から同年7月4日まで,東日本大震災により被災した宮城県石巻市に派遣されていたが,原告に対しては,同月5日が帰宅予定日であると偽り,同月4日夜から同月5日にかけて,埼玉県上尾市所在の温泉施設「花咲の湯」において被告と面会した。なお,「花咲の湯」はいわゆるスーパー銭湯であり,不貞行為を行えるような設備はなかった。

(5)cは,同年8月17日ないし同月18日以降,自宅を出てさいたま市α区β所在の与野第一ホテルに宿泊するようになった。

(6)cは、同月19日午後8時20分頃,さいたま市γ区δ所在の「カーテン・じゅうたん王国γ店」において被告の運転する自動車に同乗し,さいたま市ε区ζ所在の「中華屋敷ζ店」において会食するなどして被告と面会した。 

(7)原告とcは,平成24年1月23日,以下の内容の合意書を作成した。

ア 原告とcは,本日,協議離婚すること及び原告が届出を同月末までに行うことを同意した。

イ 原告とcは,cが原告に対して,清算的財産分与として979万3500円を支払う義務があること,cが原告に対し,平成23年9月30日,内779万3500円を支払ったことを確認する。

ウ cは,原告に対し,イの残金200万円につき,平成24年2月末に20万円,残金180万円を同年3月から毎月末に1万円ずつ,原告名義の口座に振り込んで支払う。

エ 原告とcは,本件離婚に関し,以上をもってすべて解決したものとし,今後,財産分与慰謝料等の名目を問わず,相互に何ら財産上の請求をしないことを約する。

(8)原告とcは,同年1月28日,協議離婚の届出をした。

判 旨

(1)被告は,平成23年7月4日から同月5日にかけて,また,同年8月19日から同月20日にかけて,いずれも深夜の時間帯に,「花咲の湯」等においてcと面会していたことが認められるところ,被告は,かつてcと不貞関係にあったものの,原告に対して慰謝料80万円の支払を約する公正証書を作成しており,以後,再び原告とcの婚姻関係を破綻に至らせるような行為をしないことを当然の前提としてこれを作成したものというべきである。そして,上記のとおり,深夜の時間帯に「花咲の湯」等においてcと面会していた被告の行為は,被告がcと再び不貞関係を再開したのではないかとの疑いを抱かせるのに十分な行為であり,原告とcの婚姻関係を破綻に至らせる蓋然性のある行為であると認められるから,かかる被告の行為は,原告に対する不法行為に該当するものと認めるのが相当であり,前説示のとおり,被告が必ずしもcとの面会に積極的であったわけではなく,原告との離婚について思い悩んでいたcの窮状を見かね,cの求めに応じてやむを得ず面会した等の事情は,上記判断を妨げるものとまではいえない。

 被告は,cと面会する前から,cと原告の婚姻関係は破綻しており,原告は夫としての地位を有していなかったことからして,被告がcと面会したことが原告に対する不法行為に該当する余地はないなどと主張するところ,上記認定事実によれば,cは,原告に対し,同年3月末頃から離婚を求めるようになり,石巻に派遣される前には別居を求めるなどして離婚の意向を示していたことが認められるものの,cは,自宅を出て与野第一ホテルに宿泊するようになるまでは原告と同居生活を営んでおり,原告においても,未だcとの離婚を考えるには至っていなかったのであるから,原告とcの婚姻関係が完全に修復の見込みのない状態に立ち至ったのは,原告とcが被告との関係をめぐって口論となった末,原告が荷物をまとめて実家に戻り,離婚届を作成してcに交付した同年9月以降であり,cが被告と面会した同年7月4日及び同年8月19日の時点において,原告とcの婚姻関係が完全に修復の見込みのない状態に立ち至っていたとまでは認められないから,被告の主張は採用することができない。

 したがって,被告がcと面会したことは,原告に対する不法行為に該当するものというべきである。

(2)被告は,cとの面会について,不法行為に基づき,原告の被った損害を賠償すべき責任を負うところ,原告がcと約5年にわたって婚姻生活を営んでいたこと,被告は,平成20年にcと不貞行為を行い,平成22年2月には,原告に対し慰謝料の支払を約束したものの,平成23年7月から同年8月にかけて,少なくとも2回,深夜の時間帯に「花咲の湯」等においてcと面会していること,原告とcは被告との関係をめぐって口論となり,同年9月以降には,その婚姻関係が完全に修復の見込みのない状態に至っていること,一方,被告は,被告と再会する前から原告との離婚を考え,思い悩んでいたcの窮状を見かね,同人の求めに応じてやむを得ず面会したものであり,必ずしもcとの面会に積極的であったわけではないことなど,上記認定の一切の事情を考慮すると,被告の不法行為により原告が被った精神的苦痛を慰謝するに足りる金員は80万円と認めるのが相当である。

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